
ギタリストとして長年愛用してきたJOPピックが、つい先日、販売開始からわずか3時間で500枚も売り切れました。この結果には驚きと同時に、深い感慨があります。今回の記事では、このピックとの出会い、特徴、そしてその魅力に気づいた経緯についてお話しします。
JOPピックとの出会い
私がメインで使ってきたのは、JOPというブランドのピックでした。このブランドには特に強いこだわりがあったわけではなく、長年の間に自然と手に馴染んだという感じです。そのうえ、シグネチャーモデルまで作っていただく機会にも恵まれました。
しかし正直に言うと、これまであまり特別なものだとは思っていませんでした。多くのギタリストと同じように、ピックに関してはさまざまな意見を耳にするものです。「削れるのが早い」とか「柔らかすぎて嫌い」などの声に影響を受け、自分自身の評価もどこか揺れていました。
ピッキングテクニックとJOPピック
私が考案し、指導している”全集中の回転のピッキング”という超効率的なピッキングテクニックは、実はこのJOPピックから生まれました。このピックは弦をヒットしたときの引っ掛かりが驚くほど滑らかで、抵抗がほとんどありません。比較するとわかりますが、高価なピックにも匹敵する振り抜けの良さがあります。
時には5,000円近くする高級ピックの中にも、弦を滑らかにヒットし、ツルッと弦から離れる感触を提供するものがあります。JOPピックはそれに近い性能を持ちながら、非常に手頃な価格で提供されていました。そのため、初心者でもしっかりと弦に当てる感覚を学びつつ、スムーズな振り抜けを体感できるという大きなメリットがありました。このピックは、正しいピッキングの感覚を教えてくれるまさに”すごいピック”だったのです。
JOPピックの閉業と感謝の思い
しかし残念ながら、JOPピックを製造していた会社は在庫がなくなり次第、ピックの製造を終了するとのことです。理由はシンプルで、ピックの売上がそれほど伸びなかったためです。代わりに、ゴルフグリップの製造に注力するようです。この会社のゴルフグリップは多くのプロにも愛用されているほどの人気商品だそうで、新しい成功を掴み取っていることには心から敬意を表します。
そんな状況の中、私は感謝の気持ちを込めて、自分が使っていたタイプのピックの在庫を全て買い取りました。当初はゆっくりと自分用に使おうと思っていましたが、その素晴らしさに改めて気づいたことで考えが変わりました。
ピック販売の大成功
先日、オンラインサロンのメンバーに向けてこのピックを販売したところ、なんとわずか3時間で500枚が完売しました。100枚程度は売れるだろうと予想していましたが、このスピードには驚きを隠せません。
この結果は、私が先日行ったピッキングテクニックに関する熱弁が影響したのだと思います。また、これまでJOPピックを使ってきた多くのギタリストがその素晴らしさに気づいた結果でもあるでしょう。
大切なものに気づく瞬間
私たちは往々にして、「まだある」「いつでも手に入る」と思いがちなものに囲まれています。しかし、本当に大切なものや出会いは限られています。そして、そうしたものほど意外とヒットせずに消えてしまうことも少なくありません。
この経験を通じて私は、大切なものや出会いに気づいたときには即行動し、それを大切にすることの重要性を再認識しました。JOPピックとの関係もその一つであり、今回の販売で多くのギタリストとこの感動を共有できたことは、私にとって大きな喜びです。
終わりに
JOPピックは私のギタリスト人生において欠かせない存在であり、多くのギタリストにとっても重要な役割を果たしました。これからも、自分が信じる素晴らしい道具や技術を共有し、多くの人とその感動を分かち合っていきたいと思います。
JOPピックに感謝を込めて。
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