僕はプロのギタリストになってから、どうやって機材を揃えるべきか、そしてどういうお金の使い方をするべきか、先輩の助言もあり、いろいろなことを考えました。極端な言い方ですが、どこのギターも、作り方自体は大きく変わりません。でも、ギターには本物とコピー品という違いがあります。なので、最初は本物を選ぶことを大事にしていました。皆さんご存知海外のギターメーカーですね。ただそれでいいのかな?という疑問はずっとありました。安心や満足する以外のメリットがないからです。
そんなことを考えていたとき、中国の友達ができました。彼らは日本の漫画が大好きだそうです。でも最近、中国の若者たちは日本の漫画を勉強して、自分たちで新しい作品を作るようになっているんで、そっちを読むようにしてるんだとか。スマホもiPhoneがスタイリッシュでかっこいいけど、中国製のスマホを使うようにしているそうなんです。僕はそれを聞いて、「愛国心が強いんだな」と思ってました。でも、それだけではなかったんです。

僕自身も海外のものには憧れます。海外製のギターを見ると、いつも欲しくなってしまいます。でも、いくら憧れても、そのギターやメーカーは僕に何か特別なことをしてくれるわけではありません。ただ僕らに向けて宣伝をし、一方的に売っているだけなんです。これは、A○azonで買い物をしているのと同じ感覚です。たとえば、近所のスーパーですらただただ売ってるだけではなく、旬の野菜や季節の定番行事の食べ物など、僕たちの生活が豊かになる商品を提案してくれますよね。でも、海外のギターは僕らのお金を取っていくだけ。提案やサポートはないし、宣伝するのは自国のアーティストだけで、もちろん僕らの宣伝なんかしてくれるわけもありません。
色々そういうことを考えた結果、僕はGuitar Factoryやt.m.pという日本のギターメーカーのギターを使っています。どちらもコンセプトは違えど信頼できるメーカーです。他にもいくつか日本の他のメーカーや、日本に支社がある海外メーカーとも関わっています。今付き合っているメーカーはどれも最高ですし、とてもとても大切です。なぜかというと、僕がギターを買うだけでなく、彼らも僕のお客様にもなってくれたり、時には友人のように、そして時には応援や宣伝もしてくれるからです。その上、お互いの売り上げは、日本に税金として落ちますしね。いいことづくめです。つまり、僕とメーカーは「共存共栄」、お互いに支え合う関係なんです。買い物をさせてもらったとして、お付き合いしているメーカーとそれ以外では全く利益も違えば、意味合いも全く違います。

こういう関係を築けるメーカーと仕事をすることは、僕にとってとても重要です。ギターを販売するだけでなく、僕の活動をサポートしてくれる。だからこそ、僕は日本のメーカーと一緒に成長していくことを大切にしています。
もちろん、日本のメーカーでも、こういった共存共栄の関係を築けないところもあります。改めて言いますが、そういうメーカーから買うのは、A○azonでギターを買うのと同じことですし、A○azonのように一方的に購入できるようにすることが仕事だと思っていると思います。そういう相手はただ販売するだけで、何も共に成長することがないんです。悪気はないと思います。気づいていないというのが実状かと思います。ということで、共存共栄をしていくのであれば、おすすめは僕の関わっているメーカーと言えますが、それに限らずあなたと共存共栄ができるメーカーなら別にどこでも構いません。そこをお勧めします。ブラジルやフランスなど他の国では、その国の楽器を買うことが主流になっていて、自国のアーティストを宣伝したりイベントを起こしたりする姿が素晴らしいなと思います。日本も昔はそうだったのですが、多くの日本ブランドが潰れたことによってそうもいかなくなっています。
これは人間関係においても同じことが言えますね。自分が儲ければいい、目立てば良い、なんて一方通行をやっていても何の得もありませんし、そんな人と付き合っていても時間の無駄でしょう?多くの人に愛されようとする前に、自分の周りの関わってくれる人を大事にして、じっくり付き合ってその関係を深めていくほうが数倍豊かになります。ちなみに今日の松山市のライブは塩見青果さんのイベントですが、僕のサロンメンバーさんでもあり、僕は野菜や果物を取り寄せしている大事なお友達です。今回はA○azonさんを悪い代表みたいにしてしまいましたが、何でもかんでも意味ある買い物じゃなくていいし、手軽で良いものもありますのでそれはそれ。ただ、ギターなんてのは自分にとって特に意味あるものですから、僕は関わり方を変えていこうと思ったわけです。安けりゃいい、手軽ならいい、そんな考えから少し手を引いて、何を選択するべきか、どう行動していくか、考えていく時期かもしれませんね。
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