ギターが帰ってきた！Futra FST-1000G “バートマンモデル”復活レポート
完成後から弾き込んできた愛機、Futra FST-1000G バートマンモデルがメンテナンスから戻ってきました！
今回は、少し酷使しすぎて痛んできたパーツの交換と、全体的なブラッシュアップも含めて、いわば“入院”させていたんですが…
いや〜、生まれ変わったように仕上がってきました。
このギターの成り立ちと、今どきの「名器」の作られ方
このFST-1000Gは、「良いものを詰め込めば、きっと良いギターになる」という信念のもとに作った一本。
昔のように職人が1本1本仕上げていくギターはどんな時代でも最高なのは当たり前として、昔の工場で分業制で作ってます！というギターはちょっといまいちなものもあったのは正直なところでしたが、今はCNC（コンピューター制御）や量産技術の精度も高く、過去の沢山のヒット楽器から得られた“成功データ”の蓄積をもとに、安定して高品質な個体が作れる時代と言えます。
なのであえて気をてらわず、良い木材を選択し、そこに僕自身のプレイヤーの経験からのノウハウを加えて、
「今の時代でも本当にステージで使える一本に仕上げたい」という思いで作ったのがこのモデルです。
唯一の弱点と、その克服
このモデル、コストを抑えて多くの人に手に取ってもらえるよう価格をかなり抑えて設計しているため（詳しくはこちらで）電子パーツ（ポットやセレクター、ジャックなど）にはローコスト品が使われていました。
「音は最高だけど、いつか壊れるかもな〜」と感じていたら案の定、ボリュームポットに限界が来たので、
今回思い切って高品質なCTSやSwitch Craftなど定番パーツに交換！
さらに配線も少しアップデートして、より実用的で細かい音作りができるようにしてもらいました。
🔧【技術解説】500kポットとシングルコイルの相性問題とは？
ギターに詳しい人向けに少し技術的な話も…。
このギターはH-S-H（ハム・シングル・ハム）構成のため、
ハムバッカーに合わせて500kΩのポットが使われています。これは高域が出やすくなる値。
ただし、同じポットをシングルコイルにも使ってしまうと、シングルだけ「ジャキジャキ」「キャンキャン」した鋭すぎる音になってしまうことが多いんです。このせいで今までのこの構成のギターだと「このシングル使えないなー」と言われることもしばしば（残念だよね）
▶ 対策：シングルだけにトーン回路を設定！
今回の改造では、スーパースイッチ（5way）を導入して、
センターのシングルピックアップだけにトーンが効く配線にしてもらいました。
そのうえで、シングルの高域を自然に落とすために、大きめの値のセラミックコンデンサー（例：0.1μF）を選定。
これにより、シングルの音も耳に優しく、実用的なサウンドバランスに。
全体の再セットアップで、音もルックスもパリッと
日本のエンジニアさんにお願いして、ネック調整・ナット・フレットなど全体のバランスもリフレッシュ。
気になっていた細かい作りの甘さも微調整してもらい、完璧な仕上がりに。
「いや、ここちょっと作りが雑ですね〜（笑）謎の配線もあって〜」とエンジニアも笑ってましたが、
その“ちょっとした雑さ”も含めて、エレキギターって味がある楽器。
レリック加工されたギターなんて、わざと傷だらけ、表面なんて凸凹ですからね。
シグネチャーモデルへの愛着、さらにアップ
このギター、僕にとって初めてのシグネチャーモデルなんです。
自分のスタイル、ニーズ、長年の現場経験をもとに一本作らせてもらえたというのは、やはり特別なこと。
今回のメンテを経て、さらに信頼できる一本になってくれました。
あ、そう言えば、弦高などのセッティングだけは、またいじって僕のセッティングに戻しました。
なかなか独特なセッティングなので、これは流石に誰にも理解されませんので、説明するのも面倒なので、必ず自分で調整しなおします。
これからも大事に使っていきたいと思います！
もし「FST-1000Gってどんな音するの？」「配線どうなってるの？」など気になることがあれば、
ぜひコメントお待ちしております。可能な範囲でなんでもお答えします！
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