ヘッドレスギターから始まった、新しい物語

最近、YouTubeやSNSで僕がヘッドレスギターを持っている姿を見かけることが増えたと思います。

あのピンクのギターです。

最初に見た方は、きっと少し驚いたかもしれません。
僕自身も、最初から「絶対にピンクだ」と思って選んだわけではありませんでした。

このギターは、メーカーの方と出会ったことがきっかけで、まずは実際に使ってみようと思い購入したものです。

ピンクというカラーについては、正直かなりいじられました。笑
「末松さん、ピンクなんですね(わら)」
「ちょっと意外です」
そんな反応もたくさんありました。

ただ、最近のギタリストを見ていると、いわゆる“シティポップカラー”と呼ばれるような、水色、淡いグリーン、ポップなピンクなどを取り入れたギターもかなり増えてきています。

そもそもは仲間から
「ピンクいいですよ」
「末松さんに似合ってますよ」
と言われ、思い切って使ってみることにしたんです。

最初は少し不安もありましたが、実際にブラックミュージックの現場でもこうしたカラーのギターを使っているプレイヤーを見かけますし、今ではこれもひとつの個性として楽しんでいます。

ただ、このギターの本当の魅力は、見た目のインパクトではありません。

とにかく、弾きやすいんです。

見た目だけで言えば、特別に奇抜な構造をしているわけではありません。
ところが、弾いてみると明らかに手に馴染む。

他のギターでは少し苦しいようなポジションにも、なぜか自然に指が届く。
最初は「もしかしてショートスケールなのかな?」と思ったほどです。

でも、フレットの間隔は普通のギターと変わりません。
つまり、スケールが短いわけではないんです。

それなのに、なぜか届く。
なぜか弾きやすい。

この不思議なネック感が、僕にとっては非常に大きな魅力でした。

ネックの加工なのか、設計のバランスなのか、細かな理由はひとことで説明できません。
ただ、実際に弾いたときの感覚として「これは長く使うギターになるな」と思いました。

さらに、ピックアップも少し特殊で、サウンドもとても良い。
フレットには非常に硬い素材を使ってもらっているので、摩耗にも強い。

「こんなに良いギターがあるんだな」

素直にそう感じました。

そして、この経験がひとつのきっかけになりました。

以前、僕は金色の末松モデルを作ってもらったことがあります。
そのギターもとても気に入っていましたが、今回ヘッドレスギターを使うようになってから、ふと思ったんです。

「ヘッドレスでも、自分のモデルを作ってみたい」

さらに言えば、僕は以前からセミホローボディのギターにも強い思い入れがありました。

実は一度、別のメーカーでそういうモデルを作ろうとしていたことがあります。
ただ、途中で自分の気持ちが変わり、その計画は一度中断することになりました。

そのときは、少し諦めたような気持ちもありました。

でも、今回このヘッドレスギターに出会い、実際に使い続ける中で、もう一度そのアイデアを形にしてみたくなったんです。

作りたいのは、どこにもないギター。
でも、突拍子もないだけのギターではありません。

見た目はあくまでオーソドックス。
でも、構造や弾き心地には新しさがある。
そして、セミホローの響きも持っている。

そんなギターを作ってみたいと思いました。

思い返せば、今から30年ほど前、僕のモデルを初めて作ってくれたメーカーさんがありました。
そのときに作ったのが、まさに赤いテレキャスタータイプのセミホローボディでした。

当時は若かったこともあり、いろいろと改造しすぎて収拾がつかなくなってしまい、最終的には手放してしまいました。

今になって思うと、持っておけばよかったなと思います。

あのときの記憶。
ずっと心のどこかに残っていたセミホローへの思い。
そして、今回新たに出会ったヘッドレスギターというスタイル。

そのすべてがつながって、今回の新しいギター作りが始まりました。

ありがたいことに、メーカーさんともいろいろ相談させていただき、実際にこのギターを形にしてもらえることが決まりました。

まだ詳しい仕様や完成形については、これから少しずつお話ししていきます。

今回は、いわば物語の第一回目。
なぜ僕がこのギターを作ろうと思ったのか。
その始まりの部分を書かせていただきました。

ここから、少しずつこのギターが形になっていく過程をお届けしていきます。

僕自身も、今からとても楽しみです。

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